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イチゴを手に取る写真

北海道(ほっかいどう)涼しい(すずしい)(なつ)
研究(けんきゅう)(たましい)生み出し(うみだし)
プレミアムなイチゴ「(なつ)(みずほ)

高橋さんの写真

株式会社(かぶしきがいしゃ)ホーブ 代表(だいひょう)取締役(とりしまりやく)会長(かいちょう) 高橋(たかはし)(いわお)さん

  • たかはしいわお
  • 網走(あばしり)()付加(ふか)価値(かち)高い(たかい)農産物(のうさんぶつ)花き(かき)育種(いくしゅ)手掛け(てがけ)てきた経験(けいけん)活かし(いかし)て1986(ねん)東神楽(ひがしかぐら)(まち)に「ホーブ」を設立(せつりつ)長年(ながねん)培っ(つちかっ)てきたバイオ技術(ぎじゅつ)(しん)品種(ひんしゅ)のいちごを開発(かいはつ)し、(なえ)生産(せいさん)から栽培(さいばい)流通(りゅうつう)までトータルに手掛け(てがけ)ている。

認定(にんてい)商品(しょうひん)(なつ)(みずほ)(なつみずき)

取材(しゅざい)():2018(ねん)6月(ろくがつ)25(にち)

いちごを計っている写真

8(ねん)がかりで完成(かんせい)させた
()(した)喜ぶ(よろこぶ)(なつ)イチゴの真打(しんうち)

イチゴの(しゅん)といえば年末(ねんまつ)から(はる)というのが、これまでの常識(じょうしき)でした。ところが近年(きんねん)は、国産(こくさん)(ひん)端境期(はざかいき)である(なつ)(しゅん)迎える(むかえる)(しん)品種(ひんしゅ)次々(つぎつぎ)登場(とうじょう)。「(なつ)イチゴ」と呼ば(よば)れるその多く(おおく)品種(ひんしゅ)は、ケーキなどの菓子(かし)材料(ざいりょう)需要(じゅよう)応え(こたえ)誕生(たんじょう)しました。そのため、(いろ)(かたち)果肉(かにく)(かた)さなどの見た目(みため)美し(うつくし)さ、職人(しょくにん)さんの使い(つかい)やすさを追求(ついきゅう)して、品種(ひんしゅ)改良(かいりょう)行わ(おこなわ)れてきたといいます。

そんな(なつ)イチゴの世界(せかい)新風(しんぷう)送り込ん(おくりこん)だのが、生食(せいしょく)(よう)品種(ひんしゅ)(なつ)(みずほ)」です。老舗(しにせ)和菓子(わがし)()有名(ゆうめい)洋菓子(ようがし)(てん)大福(だいふく)専門(せんもん)(てん)など…。名店(めいてん)からの引き合い(ひきあい)多い(おおい)(なつ)(みずほ)」はひと粒(ひとつぶ)大きく(おおきく)(てのひら)載せる(のせる)だけでみずみずしさが伝わっ(つたわっ)てきます。甘い(あまい)香り(かおり)放つ(はなつ)ふっくらとした果実(かじつ)頬張れ(ほおばれ)ば、豊か(ゆたか)果汁(かじゅう)口中(くちじゅう)にほとばしりました。口元(くちもと)深い(ふかい)余韻(よいん)がいつまでも残り(のこり)ます。ケーキに用い(もちい)られる(なつ)いちごの市場(しじょう)価格(かかく)ひと粒(ひとつぶ)(すう)10(えん)に対し(にたいし)(なつ)(みずほ)はその10(ばい)。プレミアム(きゅう)価格(かかく)にもかかわらず、果物(くだもの)目利き(めきき)がこぞって採用(さいよう)したくなるのも、なるほど納得(なっとく)です。

真っ赤に色づいたいちごの写真

繊細(せんさい)(しゅん)色香(いろか)
そのまま消費(しょうひ)()

「12(ねん)(まえ)から品種(ひんしゅ)改良(かいりょう)取り組み(とりくみ)、8(ねん)がかりで(わたし)たちが目指し(めざし)ていた“美し(うつくし)さと美味し(おいし)さ”を兼ね備え(かねそなえ)(なつ)イチゴができました。(かず)多く(おおく)交配(こうはい)(なか)から誕生(たんじょう)した(なつ)(みずほ)は、(わたし)たちの自信(じしん)(さく)です」。誇らしげ(ほこらしげ)(はなし)をしてくれたのは、(なつ)(みずほ)生み(うみ)(おや)高橋(たかはし)(いわお)さん。

高橋(たかはし)さんは「閉ざさ(とざさ)れた研究(けんきゅう)(しつ)培わ(つちかわ)れてきたバイオ技術(ぎじゅつ)で、北海道(ほっかいどう)農業(のうぎょう)をより活性(かっせい)()させたい」という思い(おもい)から、1987(ねん)東神楽(ひがしかぐら)でホーブを設立(せつりつ)以来(いらい)農家(のうか)役に立つ(やくにたつ)技術(ぎじゅつ)品種(ひんしゅ)開発(かいはつ)努め(つとめ)てきました。

高橋巌さん
株式会社(かぶしきがいしゃ)ホーブ 代表(だいひょう)取締役(とりしまりやく)会長(かいちょう) 高橋(たかはし)(いわお)さん

数々(かずかず)取り組み(とりくみ)(なか)から、高橋(たかはし)さんが注目(ちゅうもく)したのが国産(こくさん)(ひん)端境期(はざかいき)収穫(しゅうかく)できる(なつ)イチゴの品種(ひんしゅ)育成(いくせい)産地(さんち)開拓(かいたく)(なつ)(みずほ)誕生(たんじょう)するまでに研究(けんきゅう)重ね(かさね)「ペチカ」シリーズなど8種類(しゅるい)ほどの業務(ぎょうむ)(よう)品種(ひんしゅ)世に(よに)送り出し(おくりだし)ました。そして、(こころざし)ある生産(せいさん)(しゃ)契約(けいやく)栽培(さいばい)行い(おこない)自社(じしゃ)生産(せいさん)(りょう)までコントロールするシステムを構築(こうちく)。さらに、摘み(つまみ)たての鮮度(せんど)品質(ひんしつ)保っ(たもっ)たまま(だい)消費(しょうひ)()販売(はんばい)できるよう、物流(ぶつりゅう)販売(はんばい)のプロと(きょう)働した拠点(きょてん)東京(とうきょう)設け(もうけ)ました。「相場(そうば)左右(さゆう)されない独自(どくじ)取引(とりひき)価格(かかく)実現(じつげん)もまた、生産(せいさん)(しゃ)努力(どりょく)報いる(むくいる)ためのこだわりでした。品種(ひんしゅ)開発(かいはつ)から販売(はんばい)まで一貫(いっかん)して手掛け(てがけ)生産(せいさん)(しゃ)意欲(いよく)をもって仕事(しごと)取り組める(とりくめる)ようにすることが、(わたし)たちの大切(たいせつ)仕事(しごと)だと考え(かんがえ)ています」。

収穫の様子
箱詰め作業の様子
ビニールハウスのいちご

(なつ)(みずほ)」は、そうした万全(ばんぜん)体制(たいせい)整っ(ととのっ)生まれる(うまれる)べくして、生まれ(うまれ)(なつ)イチゴの女王(じょおう)だったのです。その生産(せいさん)拠点(きょてん)は、中富良野(なかふらの)(まち)直営(ちょくえい)農場(のうじょう)現場(げんば)をとり仕切る(しきる)のは、イチゴ栽培(さいばい)のベテラン、加野(かの)仁司(ひとし)さん。
(なえ)づくりから(はな)咲かせる(さかせる)までが大事(だいじ)時期(じき)()抜け(ぬけ)ません。(はな)()大きく(おおきく)しっかり育て(そだて)ば、(のち)(わたし)たちの仕事(しごと)応える(こたえる)ように(なつ)(みずほ)自身(じしん)良い(よい)()をつけてくれるんですよ」と、加野(かの)さんは()焼け(やけ)(かお)をほころばせながら語り(かたり)ます。
(なつ)(みずほ)(はたけ)は、ビニールハウスの(なか)天窓(てんまど)設け(もうけ)た6mほどの屋根(やね)(した)太い(ふとい)(くき)大きな(おおきな)(みどり)()茂ら(しげら)せ、赤い(あかい)()をつけた(なえ)が、整然と(せいぜんと)並ぶ(ならぶ)風景(ふうけい)圧巻(あっかん)です。「(なつ)(みずほ)(はな)(すう)がちょうどよくつき、摘果(てきか)作業(さぎょう)不要(ふよう)です。収穫(しゅうかく)(さい)にも()品種(ひんしゅ)比べ(くらべ)てもぎやすい、最後(さいご)まで非常(ひじょう)扱い(あつかい)のいい品種(ひんしゅ)なんです」。加野(かの)さんは、可愛い(かわいい)わが子(わがこ)自慢(じまん)するように、(なつ)(みずほ)魅力(みりょく)語っ(かたっ)てくれました。

実ったイチゴ
加野仁司さんの写真
加野(かの)仁司(ひとし)さん
高橋さん

これからの展望(てんぼう)

本州(ほんしゅう)ならば標高(ひょうこう)800mの高地(こうち)でなければ栽培(さいばい)できない(なつ)イチゴが、北海道(ほっかいどう)では平地(ひらち)健康(けんこう)育つ(そだつ)。イチゴ栽培(さいばい)にはまたとない北国(きたぐに)気候(きこう)条件(じょうけん)活かし(いかし)高橋(たかはし)さんは現在(げんざい)海外(かいがい)品種(ひんしゅ)国内(こくない)品種(ひんしゅ)組み合わせ(くみあわせ)(いま)新しい(あたらしい)品種(ひんしゅ)開発(かいはつ)取り組ん(とりくん)でいます。「うちでもこれはつくってみたい。生産(せいさん)(しゃ)意欲(いよく)かき立て(かきたて)、そんなふうに言っ(いっ)てもらえるようなイチゴを、これからも農家(のうか)目線(めせん)開発(かいはつ)していきたいですね」と、高橋(たかはし)さん。これからも東神楽(ひがしかぐら)実験(じっけん)ほ場(ほじょう)から、人々(ひとびと)がアッと驚く(おどろく)イチゴの新星(しんせい)旅立っ(たびだっ)ていくことでしょう。

摘みたていちごの写真
収穫作業の様子の写真
いちごを仕分けしている写真
いちご箱詰め写真
加野仁司さんの写真
高橋 巌さんの写真