トップ種と実モノ語り株式会社オーシャン 代表取締役 井上雅之さん
夕方のビアガーデン写真

東神楽の麗しき夏時間を
丸ごとプロデュースした
期間限定ビアガーデン

井上雅之さんの写真

株式会社オーシャン 代表取締役 井上雅之さん

  • いのうえまさゆき
  • 旭川ラーメンを代表する「梅光軒」2代目。5年半のアメリカ生活を経て、現会長である創業者、弘之氏のもとで飲食業のイロハを10年間学び、株式会社オーシャンを設立。梅光軒でのラーメン作りはもとより、料理を通じて北海道の四季を感じられる「ばいこうけん」や北海道の恵みをふんだんに使った「北海道スープスタンド」、道産のお肉をはじめ、旬の野菜や魚介にフォーカスし鉄板を主体とした「北海道ファインダイニング カムイ」など北海道の安心・安全で美味しい食材と魅力を、国内外をフィールドに幅広く飲食関連の事業を展開している。

認定商品:空の下ビアガーデン
チョコレート「Docolat(ドコラ)」
ドレッシング「月刊生ドレ」

取材日:2018年9月4日,2019年7月16日

お店の雰囲気がわかる写真
店内の様子

まち自慢の“うまい”が
注目のニュータウンに大集合

旭川市と東神楽町の境界にある「ひじり野」は、子育て世代に人気の新しいまちです。2015年には、ひじり野の中核施設としてショッピングセンター「アルティモール」がオープン。1階にあるブッフェレストランomp(オンプ)は、道産食材をたっぷり味わえるグルメスポットとして町内外の家族連れでいつもにぎやかです。

毎年夏季限定で開催されている「ビアガーデン」は、夏のひじり野名物。種と実セレクト商品でおなじみの前田牧場の和牛をはじめ、東神楽の隠れた名品を味わえると、開催を心待ちにしている食いしん坊も少なくありません。

「前田さんの和牛だけではなく、かぐら姫でおなじみの北川さんも参加している八百屋“ハルマーケット”の夏野菜やお米など、東神楽にとことんこだわったメニューを用意しています」と、社長の井上雅之さんは胸を張ります。これらの食材調達には、種と実セレクトの仲間の輪、そこから広がった美味しいネットワークが大いに生かされているといいます。「地域で地域のものだけを味わうビアガーデンを、北海道の最も良い季節に心ゆくまで楽しむ。これこそ、外食のプロである僕らだから提供できる幸せだと思うんです」。

ビアガーデンの様子
井上さん
株式会社オーシャン代表取締役 井上 雅之さん
肉の写真

劇的に変化する可能性を発掘する楽しみと喜び

旭川の老舗ラーメン店、梅光軒の創業者を父に持つ井上さんは高校を卒業すると「より広い世界を見たい」と、渡米。カリフォルニアのカレッジで学びながら、異文化を思う存分吸収しました。「外から故郷を見てあらためて、無限の食の可能性があると感じ、実家の手伝いを始めました」。それから8年後、井上さんは自慢の味を道外へ、そしてアジア、ハワイへと広げていきました。さらに、レストランやスープスタンドなど多彩な飲食業を展開。現在、道内に居るのは年間わずか90日、それ以外の多くは海外や道外を駆け回っているといいます。そんな井上さんには東神楽というまちがどう映っているのでしょう。

説明する井上さん

「いい意味ですべてが未開拓の地。でも、食材の豊かさと環境の良さは天下一品、空港にも隣接しています。磨けば光り輝くダイヤの原石があちこちに埋まっているような人口8千人の東神楽は、34万都市の旭川よりも僕には魅力的に見えます」と、井上さんは楽し気に語る。2015年、アルティモールにompを出店したのを機に、井上さんはさまざまな生産者と出会いました。そこから、次々と新しい食のアイディアや商品も生まれています。

2019年、新たに種と実セレクトに認定された「月刊生ドレ」もその一つ。ompでは毎月、東神楽で生産されている水菜やズッキーニ、トマト、玉葱、パプリカ、ほうれん草など旬の野菜をフューチャーし、ブッフェのメニューを展開。その野菜の旨みをさらに引き出すレシピで「月刊生ドレ」を仕立て毎日、つくりたてを料理の仕上げに用いて提供しています。「オール東神楽ベジタブルの料理を、地域のレストランompに食べに来ていただきたい。だから、提供は店内限定にこだわっています」。そう語る井上さんは、ゆくゆくは学校給食にも提供し「子どもたちに地元で育った野菜をモリモリ食べてもらいたい。それが、東神楽ならではの食育にもつながれば嬉しい」と、次の展開に向けて動き出しています。

また、2018年暮れにはハンドメイドのチョコレート「ドコラ」の旭川空港限定発売を開始。札幌のパテシェ監修の2種類のチョコレートは、東神楽産の牛乳、ライスパフを使用。地域の顔が見える商品にしたいと、素材だけではなくパッケージには地元の小学生の絵を採用し、種と実の仲間の匠工芸にオーダーした木製什器を空港売店に設置しました。さらに、第2弾として地元のブルーベリー、南蛮を生かした2種類の新製品を今年度中に発売する予定です。「将来的には製造過程を見て楽しめるチョコラボラトリーを町内につくりたいと考えています。」と、井上さんは瞳を輝かせて語ってくれました。

“ドレッシングをかける様子”
“チョコレートの写真”
お店の前の2人

これからの展望

横浜や東京でも飲食店を展開している井上さんは、東神楽で見つけた逸品を道の店舗でも積極的に採用し、東神楽の魅力発信に努めています。「2020年はオリンピックイヤー、海外から訪れるたくさんの方々にも、東神楽を知っていただくいいチャンスです。近い将来、町や仲間と協働して、滞在型観光のまちにし、道外で東神楽のファンになった国内外の人を呼びたい。グローバルとローカルが出合うグローカルなまちになれば、東神楽の未来も明るくなるのではないでしょうか」。

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店内
店内
お話しする井上代表
シェフ
ドレッシング