トップ種と実モノ語り株式会社 おおかくファーム 会長 大角博さん
ブルーベリージャムの料理

完熟果実の美味しさを
そのまま瓶に閉じ込めた
夏風香る手づくりジャム

ブルーベリージャム

株式会社おおかくファーム 会長 大角博さん

  • おおかくひろし
  • 父が開いた農場を兼業で受け継ぎ、現在3代目の息子と一緒に64ヘクタールの農地を管理。米を主体に、露地アスパラやトウモロコシなどを生産・直売している。8月から11月まで出荷する朝もぎトウモロコシは、ブルーベリーと並ぶ人気商品

認定商品:農家さんがつくるブルーベリージャム

取材日:2020年3月2日

東神楽の景色

63歳の手習いで始めた果樹栽培

雄大な自然のもと、熱意ある生産者が栽培技術を競い合う東神楽は、お米や小麦、アスパラにトウモロコシなど、美味しい農産物の宝庫。若手後継者たちが切り盛りするひじり野の「ハルマーケット」をはじめ、農家さんの直売も盛んです。

そんな東神楽でひと味変わった直売で人気を集めているのが、おおかくファームのブルーベリージャム。町内と旭川市内のコープ(生協)でしか買えない東神楽の隠れた逸品として人気を集めています。

「63歳で専業農家になって、何か自分なりに新しい作物を育ててみたいと考えていた時に、カタログに載っていた苗木が目に留まり、自家用に植えたのが、ブルーベリー栽培の始まりなんだよ」と、大角さん。目の活力を促進させる機能性食品としてブルーベリーが世の中に注目される以前のことでした。以来、コツコツと栽培面積を増やし、10年を経て、15アールの畑に20種類500本のブルーベリーが植えられるまでになりました。「育ててみるとね、品種に個性があって、実に面白い。チャンドラーという生食用品種は500円玉大の実が採れるんだ。それに、害虫や病気にも強いから消毒もいらないんだよ」と、大角さんはにこやかに語ります。

ハルマーケット
ハルマーケット
ブルーベリージャムの瓶

完熟だけを手摘みする、真夏の三度参り

新しい家並みが広がるひじり野に隣接する大角さんの畑にブルーベリーが実るのは、7月中旬から8月末。真昼の強い陽射しを避け、大角さんは朝5時には畑に出て、ブルーベリーの収穫を始めます。「完熟の実だけを選って、一粒ずつ摘み取るのはなかなかの手間仕事。家族3人で摘んでも、3時間以上かかるんだ。それでも、摘み残しがあるから、畑には1日3回は足を運んでるよ」。

一粒ずつ大切に手摘みした大粒の果実は、パック詰めにして農場で直売。小粒品種の果実はすべて摘みたてを急速冷凍保存し、製造を委託している加工場に運んで、ジャムをつくってもらっています。「完熟摘みたての果実の味をそのまま味わってほしいから、レモン果汁と35から40パーセント程度の砂糖だけで炊いています。もちろん、添加物は使いません」。このため、大角さんは半年という短い賞味期限と、1回200個という少量生産にこだわり続けてきました。「材料はたっぷり1年分ストックしているので、ジャムの在庫が無くなったらそのつど加工してもらっています」。

大角さんの正直な人柄まで詰め込んだようなブルーベリージャムは、お年寄りから子どもまで安心して食べられると評判です。「農場の電話が鳴るといつも、何か不備があったかとドキドキします。でも、電話の向こうから聞こえるのは、美味しかったという声ばかり。その弾むような声を聞くたびに、また次の夏が待ち遠しくなるんです。こういう触れ合いがあるのが、直売の楽しいところ。暑い盛りの収穫の辛さも吹き飛びますよ」と、大角さんは朗らかに語ります。

ヨーグルトにかけるジャム
ブルーベリージャムの料理

これからの展望

ブルーベリージャムが「種と実セレクト」に認定された大角さんの次の目標は、加工の幅をさらに広げること。「これを機に、種と実セレクトの仲間にうちのブルーベリーを、色んな形で活用してもらえたら嬉しいです」。大角さん自慢のブルーベリーがまた新たな装いで東神楽名物になる日はそう遠い未来のことではない、かもしれません。

ブルーベリージャムとヨーグルト
ブルーベリージャムの調理イメージ
ブルーベリージャムの料理活用イメージ
ブルーベリージャムの瓶
ブルーベリージャムとヨーグルト
東神楽の町並