トップ種と実モノ語り東神楽蔬菜組合 [会長]金田俊一さん [組合員]外山貴義さん、井沢広隆さん
ほうれん草を手に持つ写真

大雪山系の清らかな水と
ミネラル豊富な土が育む
べっぴん葉っぱ野菜たち

金田俊一さん外山貴義さん井沢広隆さん

東神楽蔬菜組合 [会長]金田俊一さん、
[組合員]外山貴義さん、
井沢広隆さん

  • ひがしかぐらそさいくみあい
    かねたしゅんいち、とやまたかよし、いざわひろたか
  • 3人は東神楽の農業を支える若手後継者。金田さんは3代目、外山さんは5代目、井沢さんは4代目。東神楽町で代々続く米農家に生まれ、米づくりと並行してミネラルほうれん草、ミネラル水菜を生産し、蔬菜組合に出荷している。
    写真左から:外山さん、金田さん、井沢さん

認定商品:ミネラル水菜・ミネラルほうれん草

取材日:2019年7月16日

東神楽の景色

米どころ、東神楽は普段着野菜の宝庫

“道内屈指の米どころ”東神楽は、古くから野菜の主要産地として北海道の市場を支えてきました。今から60年ほど前、農協に生産部会や出荷組合のような組織がなかった時代、東神楽でニラを生産していた農家さんが集まり、組合組織をつくって札幌や旭川の市場に出荷。その組織が母体となり「東神楽蔬菜組合」が生まれました。当時の生産の花形は、発足のきっかけとなったニラでした。やがて、意欲的な組合員さんたちは「より市場価値のある生産物を出荷したい」と試行錯誤を重ね、ピーマンや人参、小松菜などさまざまな野菜づくりに取り組んでは、市場へ送り出していました。

「20年前からほうれん草が出荷の主力になり、その10年後には水菜を手掛ける組合員が増えました。いずれも、春から秋、道外産地での生産が少ない時期に生産出荷されています」と、会長の金田さん。現在では、この時期に道内で流通するほうれん草と水菜は、全体の7割を占めるというから、驚きます。普段、北海道のスーパーで私たちが何気なく手に取り、食べているほうれん草や水菜の多くは、米どころ・東神楽育ちなのです。

水菜を収穫している様子
畑の写真

手塩にかけて育て、送り出す
農家自慢のみどりごたち

ビニールハウスの様子

じりじりと焼けつくような白い陽射しの中、金田さんが特別に仕事場を案内してくれました。6月の中旬からビニールハウスで育て始めた水菜は、ちょうど収穫期を迎え、出荷の準備が進められていました。遮光ネットが張られたハウスの中は、思いのほか涼しく、時おり緑と土の香りを含んだ風が葉先を揺らしながら、さーっと吹き抜けていきます。

「東神楽は盆地気候なので、温度管理には細心の注意を払っています。また、強い日差しで葉が焼けてしまうのを防ぐために、遮光ネットで光のコントロールも欠かせません。手間はかかりますが、市場に出す葉物野菜はルックスも大切なんです」と、金田さんは日に焼けた顔をほころばせながら話してくれました。

また、組合では栄養や味、安全にこだわり、農薬や化学肥料をコントロールして育てているそうです。専用ビニールハウスの土には、有機肥料やマグネシウム、鉄、マンガンなど植物の生長に必要な10種類のミネラル分を加え、土壌を活性化。ミネラル栽培された水菜やほうれん草は、昔の味がすると消費地で好評です。「水は大雪の伏流水を使い、品種や生長に応じて水分量を加減することで、甘く柔らかなほうれん草や、しゃきしゃきの食感が楽しめる水菜ができます」と井沢さん。

収穫したほうれん草と水菜は、専用袋に詰められ、予冷した後保冷車で出荷。採りたての鮮度を保ったまま、最短1日で道内のスーパーに並びます。「葉物野菜はデリケートですから、流通の温度管理、スピーディさも大事。流通が発達した今でも、産地と消費地の市場がダイレクトに結ぶ組合の役割は大きいと思います」と、金田さんは熱く語ります。

種と実セレクトの水菜商品写真
金田さんの写真

これからの展望

現在、ほうれん草と水菜の生産を手掛ける組合員は14人、平均年齢は57歳。金田さんはじめ、若手の後継者たちはLINEグループをつくり、日々情報交換をし、農閑期には交流会や視察旅行を実施。「来年60周年を迎える組合で直近の課題になっているのは、これからの担い手を増やすこと。これから志をともにして、より美味しい野菜づくりに取り組む若い仲間が増えることを、僕らも期待しています」と、外山さんは笑顔で話してくれました。

水菜の調理写真1
水菜の調理写真2
水菜の調理写真3
ほうれん草の調理写真1
ほうれん草の調理写真2
ほうれん草の調理写真3