ご意見・ご要望
釈迦に説法のようで恐縮ですが、行政が行う事業は全て、公園のベンチ一つであってもそこには目的があり、事業の評価・検証が求められることは多言を要しません。事業は目的がなくなれば、当然淘汰して、廃止しなければなりません。このような観点から次の3点について再度質問します。
①故安井吉典氏常設展示は何を目的として設置しているのか?
前回回答には「このような数多くの功績を称えて」また「東神楽町民として名誉ある数々の功績にて」展示しているとあります。展示はあくまで手段であって目的ではありません。したがって、回答にはその目的については、なぜか言及されておりません。故人の業績を顕彰して町民に伝えるために展示をしていることは明らかであります。一般的には町民に安井氏に対する尊敬や敬愛を促すことが目的のように思われますが、常設展示を行っている真の目的を説明してください。なお、陳列展示について所見を述べるとケース内には履歴書的な年譜が列記されているだけで、字が小さすぎて読めません。そもそも功績とは村長、国会議員、衆議院副議長を何期務めたのではなく、在任期間中成し遂げた具体的な実績にあります。数多くの実績があるのであれば単なる年譜や公職を列記するだけでなく、しっかりした文章で多大な功績を紹介すべきです。このように中途半端な展示内容ですから、展示効果は期待できない現況にあります。なお、「東神楽町名誉町民」となっていることを展示する論拠の一つにあげています。安井さん以前に9名の名誉町民が存在しており、それに上下の序列はありませんがこれらの功労者も安井氏と同等に取り扱いべきであります。
②どのような経緯で展示されたのか?(ご本人の遺志なのか、ご遺族の意思なのか、あるいは庁側の要望なのかをお知らせください)
③2012年(平成24)の安井氏の町葬後に展示されたと思われますから、既に10年余り展示されたことになります。長年展示を行ってきたのですから、当然評価と検証がなされていると思います。その結果を踏まえて、展示を継続することを決定したのでしょうか、どのような評価と検証がなされたのかを説明願います。次に地方自治の観点から所見を述べたいと存じます。前回回答には「個人崇拝の観点から展示しているものではなく」とありますが、特定の個人の肖像画や勲章を展示することは尊敬と敬愛を促すことになり、基本的には個人崇拝につながる行為であります。事実、町内には「安井党」と呼ばれていた支持者が数多く存在することは周知の事実であります。したがって町としては撤去に躊躇せざるを得ない状況はある程度理解できます。しかし「地方自治は民主主義の学校」と呼ばれて既に久しい今日、その本丸である役場本庁舎に特定の故人(しかも長年特定の政党に所属して活躍した政治家)を顕彰する肖像画や勲章などを展示することは明らかに民主主義を逸脱したものであり社会通念上も許されるものでありません。
このような展示を行っている市役所や役場は少なくとも道内ではありません。公平中立を旨とすべき地方自治のあり方を踏まえて町長のご見解をお聞きします。ひと昔前の大らかな町役場なら、このような時代錯誤や非民主的な行為は許されたのかもしれませんが、時代は絶えず、進化していくのであり、東神楽町は時代に取り残されてしまいます。役場の職員は10年余りも展示されていたことから、見慣れて違和感がなく矛盾も感じていないと思われます。しかし私のように他の自治体で働いていた者には奇異な存在であり、地方自治体としての後進性を象徴しているように感じます。立派な新庁舎が完成したのですから、時代錯誤の古い体質や因習から脱皮して心機一転フレッシュでスマートな役場に生まれ変わってください。
④ジェネリック医薬品の奨励について
ジェネリック医薬品の取り扱いについては、隣接される調剤薬局で今後対応されるとのことでした。この点についてはおおむね理解しましたので、あえて回答は求めませんが私見を申し上げます。地方財政が一段と厳しい中にあって、増大する医療費の軽減を図ることは急務な課題であります。そのための一助となるのがジェネリック医薬品の利用であり、町と患者の双方に多大なるメリットがあります。したがって、道内のほとんどの市町村で取り組まれており、大雪地区広域連合でもジェネリックの希望カードやシールを配布して奨励するとともに、ジェネリック医薬品を利用していない患者には、病院名と薬剤などを明記した葉書を送付して奨励に努めております。
このような大雪地区広域連合の積極的な取り組みにもかかわらず、町診療所があまり取り組んでこなかったのはどうしたことが原因だったのでしょうか。利用度の低い特殊な薬剤はやむをえないと思いますが、私が使用している解熱剤、鎮痛剤、睡眠導入剤のような広く使用される薬剤は当然ジェネリック医薬品があります。回答には「診療室薬室のスペースが狭く院内処方できるものが限られている」ことを理由に挙げています。ジェネリック医薬品に随時切り替えることにより、スペースは徐々に確保されるはずですし、そもそも空間利用は職員の創意工夫により改善できる余地が必ずあるはずです。ジェネリック医薬品を積極的に導入する強い意志がなかったからであり、業務の怠慢のそしりは免れないのではないでしょうか。ジェネリックで節減できた多年の医療費は相当な額であったと推察できます。この苦い教訓を生かしてジェネリック医薬品の普及と啓発を一層推進し、無駄のない健全かつ適切な財政運営に努めてほしいものです。